SESとは?業務形態や批判されがちな理由を徹底解説!

SESが何か知りたい人

「SESが何なのか知りたい!最近TwitterやネットでIT業界の人が批判しているのを見るけど、何のことを指しているか分からない!概念から批判されている理由まで初心者にも分かりやすく解説して欲しいな!」

この記事ではこういった疑問に答えます。

あなたは、SESという単語を聞いたことがありますか?

IT業界で働いている人であれば、一度は耳にしたことがある単語かもしれませんが、具体的にどんなサービスで、なぜ批判の対象になっているのか理解できない人も多いですよね。

SESは、長時間労働やピンハネ問題などが顕在化しており、IT業界内外から多くの批判を受けているエンジニアの業務形態です。

この記事では、SESとは何かについて以下の内容に触れながら、詳しく解説しています。

  1. SES(System Engineering Service)とは?
  2. SESの契約形態について
  3. SESがIT業界で批判されている理由5つ
  4. SESは全ての会社がブラック?
  5. 未経験→SESへの転職が多いのはホント?

SESとは何かについて非常に詳しく解説しているので、SESについて知りたい方はぜひとも一読してみてください。

SES(System Engineering Service)とは?

SESとは、「システムエンジニアリングサービス(System Engineering Service)」の略称で、クライアントに技術者を派遣するサービスのことを指します。

より噛み砕いて説明すると、システムエンジニアはクライアントのシステム開発やインフラなどの環境構築を行うためにエンジニアの技術を提供することです。

SESのビジネスモデル

SESの仕組みについて深く理解してもらうために、ビジネスモデルはどのようなものなのか、図を使って解説していきます。

SESには主に以下の2つのケースが存在します。

  1. 自社のリソースを使う場合
  2. パートナー企業と協業する場合

①自社のリソースを使う場合

一般的に、ほとんどのSES企業で採用されているのが、自社でエンジニアを採用し、そのエンジニアを開発現場に派遣して、技術力を提供する方法です。

非常に古くから採用されている方法として知られていて、とてもオーソドックスなタイプのSESのモデルです。

売り上げは、60万円ですが、人件費と交通費、保険などの諸経費を営業原価として計算し、負担総額が40万円だと仮定すると、20万円ほどが利益として会社側に入ります。

②パートナー企業と協業する場合

2つ目の方法は、パートナー企業と協業するケースです。

エンジニアを抱えている企業とパートナー契約を結んだ後、自社の社員ではない、協力企業のエンジニアを顧客に派遣する仕組みです。

この場合、一連のフローの中で自社でやることは、「案件を持っている企業と演エンジニアを抱えている企業の仲介をする」ということなので、予算の中から「営業手数料」としてマージンをもらう仕組みになります。

一見利益が少ないように見えますが、自社で人材を抱えるリスクがない仲介業であり、自社が関わる工程が少ないため、意外とお得なビジネスモデルです。

このケースは、近年フリーランスのエンジニアも増えてきていることから、伸び始めています。

フリーランスエンジニアの方が契約期間を柔軟に変更できたり、人件費を削りやすいため、パートナー企業と合わせてフリーランスエンジニアと契約する企業も増えています。

SESの契約形態について

SESが業界で批判されがちな理由として、契約形態が挙げられます。

ここでは、後述する「SESが批判されている理由」をより深く理解できるよう、SESの契約形態について詳しく解説しています。

SES=準委任契約

SESは、契約の種別で言うと、「準委任契約」という契約になります。

準委任契約とは、「法律行為以外」の事務を相手に依頼する契約のことです。

ここで使っている「法律行為」とは、不動産の売却や訴訟などの法的な権利が生じたり、消滅したりする行為のことを指していて、これら法律を扱う契約を「委任契約(弁護士に依頼する際などに使われる)」といいます。

準委任契約の例を挙げると、医師による患者の診察や介護サービスの依頼など日常生活の中で事務処理が必要となる場面で用いられており、実は以外と利用している人が多いです。

準委任契約は、簡単に言うと、受注者が約束した時間だけ発注者の仕事を手伝ってあげる契約のことで、仕事を完了させる義務を負いません。

SES契約=準委任契約なので、単純に、労働力を決められた時間内だけ提供するということだけを条件としており、システム開発する上でも納品の義務を負いません。

しかし、実際には、約束の時間が過ぎたら、完成していなくても終わりということにはならず、時間を超過していても開発が完了するまで働かざるを得ないケースが多いため、納品義務もあると言っても過言ではありません。

SESと派遣契約の違い

SESと派遣契約の違いは、指揮命令権が自社(SES企業)側にあるか、クライアント側にあるかによって判断できます。

派遣社員の場合は、派遣先の企業(クライアント)に指揮命令権が与えられているため、依頼者側が直接派遣社員に対して指示を出すことができます。

準委任契約の場合は、指揮命令権が依頼者(SES企業)にあるため、派遣先の現場で指揮・監督されると、これは違法行為になります。

しかし、実際にはどこから指揮命令権が生じるのかは非常にわかりにくいため、違法であると判断しづらく、SES契約は非常にグレーであると言われているのです。

派遣社員の場合は、法律上、派遣契約を結んでいるので、クライアント側から指揮・命令等の行為があっても問題ありません。

指揮命令権の所在がどこにあるのかが、派遣契約とSES契約との違いです。

SESと請負契約の違い

SESと請負契約との違いは、仕事を完成する義務の有無です。

請負契約の場合は、請負人がある仕事を完成させることを約束し、発注者側がその仕事に対して報酬を支払うことを約束することをいいます。

世の中のほとんどの仕事がこの形で発注されており、建設・土木など建物を建てるケースや、運送でモノを送る時、クリーニングなども請負契約になり得ます。

契約者の間でサービスを提供し、報酬を払うという点では、準委任契約と同様ですが、「仕事を完成する義務の有無」に違いがあります。

請負契約の場合は、成果物が重要視されており、仕事の結果納品されたモノに瑕疵(欠陥のこと)がある場合は*瑕疵担保責任を負います。

準委任契約の場合は、仕事を完成させること義務がなく、一定期間労働力を提供すれば、仕事が完成されていなくても責任は問われないという違いがあります。

*瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)・・・売買などの有償契約において、その目的物件に、一般の人では簡単に発見できないような瑕疵 (欠陥) があった場合、売主などの引渡し義務者が、買主などの権利者に対して負わねばならない担保責任のこと。

SESがIT業界で批判されている理由5つ

では、具体的にSESがIT業界で批判されている理由は一体なんなのでしょうか。

今回は、特に言われている理由を5つほどご紹介しています。

  1. ①業務形態自体が法律的にグレー
  2. ②多重下請け構造になっているため収益性が低い
  3. ③エンジニアとしてのスキルが身につかないことが多い
  4. ④ピンハネ搾取構造
  5. ⑤長時間労働を強いられやすい

①業務形態自体が法律的にグレー

まず1つ目に、業務形態自体が法律的にグレーであるという理由です。

これは、先ほど「SESと派遣契約との違い」の項で少し触れましたが、SESという業務形態は準委任契約という契約の元で成り立っていますが、人によっては法律に違反しているのではないかと言う人もいます。

SESの業態的に自社のエンジニアを、クライアント先の企業に派遣して、そこで他の企業のメンバーの元で開発を行うため、通常は「派遣契約」として契約を結ばなければなりません。

しかし、SES企業は、準委任契約でエンジニアを派遣しています。

これは準委任契約の指揮命令権が曖昧であるため、現場で派遣先のエンジニアに指揮・監督などの行為をされたとしても、何を指揮・監督の行為とするのかが微妙であるため、法的に捌きにくいことが理由です。

実質派遣を行なっているにも関わらず、派遣契約を結ばずに客先に常駐させていることが、法律的にグレーと言われる理由なのです。

②多重下請け構造になっているため収益性が低い

SES業界は基本的に多重下請け構造になっており、非常に収益性が低いです。

IT業界の中でも、受託開発を行なっている企業は、一般的に多重下請け構造で仕事をしています。

引用元:https://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1810/09/news005.html

元請けの位置にいるのは、一般的に「SI企業」「元請け」などと呼ばれ、システム開発の上流工程である、要件定義やシステム設計・構築などを行うことが多いです。

その下請けとなっているのが、主にSES企業です。

SES企業は、上から流れてくる案件に対して下請け→孫請けという順番で案件を回していき、最終的に、5次請け、6次請けまでいくことも多いようです。

下流工程ばかり扱っているSES企業にいるエンジニアは、会社に所属する限りいつまで経っても上流工程から大きな案件を搾取され続けるため、会社自体の収益性も悪く、非常に給料がなかなか上がらないことが問題です。

③エンジニアのスキルが身につかないことが多い

全てのSES企業に言えるわけではありませんが、エンジニアとしてのスキルがつかないことが非常に多いです。

主に4次請け、5次請けなどの下流工程にいるエンジニアにありがちな現象で、末端の仕事しか回ってこないために、単純な作業仕事しか回って来ず、全くスキルが身に付かなくなってしまうという現象です。

エンジニアは実力社会であるため、「スキルが身に付かない→キャリアアップできない→給与が上がらない」という悪循環に陥ってしまうとなかなか抜け出せません。

エンジニアのキャリアを考える上でも、あまりいい影響を及ぼさないため、現役のエンジニアから批判されています。

④ピンハネ搾取構造(多重請負≒偽装請負)

SESが最も悪質だと言われているのが、この「ピンハネ搾取構造」です。

SESは、業態的にエンジニアの労働力をサービスとしてクライアントに提供して、その報酬の仲介料をもらうことで会社にお金を入れています。

通常であれば、エンジニアが作った「成果物」に対してそのままお金が払われるはずのところを、エンジニアの「労働力」として提供し、その報酬を中抜きしている構造自体が悪質です。

さらに、SES業界では多重請負(≒偽装請負)が頻繁に行われています。

多重請負とは、実質派遣業であるにも関わらず、準委任契約SES業界ならではの構造で、これも法律的に非常にグレーな手法です。

多重請負とは、SES企業の多重請負構造の中で生まれるもので、図でいう、A社の社員のエンジニアをB社に派遣したあと、B社からさらにC社にA社社員のエンジニアを派遣することです。

各階層でA社・B社・C社が案件のマージンを抜いており、単純にエンジニアがする仕事は一緒であれど、紹介する企業にたらい回しにされた結果、中間搾取が何度も行われてしまうため、エンジニアの取り分が少なくなってしまいます。

なぜ「派遣」しているのに「請負」という名前がついているのかというと、先ほど説明した「準委任契約」が関係しているのです。

そもそも、派遣法の元によって契約される「派遣法」では、上のような構造体質は、「多重派遣」と呼ばれ、法律上厳しく禁止されています。

しかし、SES企業では、準委任契約を結んでいるため、実質「二重派遣」であるにも関わらず、法律的には裁かれない「二重請負」構造になっているのです。

この二重請負は、「実質的に派遣であるにも関わらず、請負契約や準委任契約を結ぶことで請負行為を偽装している」という意味で、別名で偽装請負とも呼ばれています。

こういった行為が許されている以上、SES企業に所属しているエンジニアに対する中間搾取はなくならないと言われています。

⑤長時間労働を強いられやすい

SESの契約では、指揮命令権の所在が非常に曖昧であるため、労務管理がずさんになりがちです。

基本的に本来は、自社になければならない指揮命令権が、客先の企業に委ねられるため、有給を取りたい場合でも、自社と客先の企業の両方に確認しなければなりません。

また、退勤時間なども客先の企業に握られてしまいやすく、自社の人間でもない人にあれこれ言われてしまうため、長時間労働を強いられやすくなってしまいます。

全てのSES企業が労務管理ができていないわけではないですが、長時間労働を強いられても客先の企業に従うしかない状況に置かれてしまうという点が、SES企業が「ブラック」と言われている理由の1つです。

SESは全ての会社がブラック?

ここまでSESの解説を読んできたあなたは、

未経験の人

「SES企業は全ての会社がブラックなのか!絶対に入りたくない!」

と思いますよね。

実際にTwitterでSES企業を痛烈に批判することで有名な株式会社アクシスの社長である米村さんは、記事の中で次のように語っています。

何をもって良い会社というのかは人によってとらえ方がそれぞれですが、SES企業の中にも色々な制度を整えたりして頑張ろうとしている企業があるのかないのかと言ったら、それはあると思います。


でもだからと言って「SES企業にも良い会社あるじゃん」とはならないというのが私の主張です。頑張っているから良い企業というわけではありません。


SES企業はどこまでいっても所詮はただのSES企業に過ぎない


従ってSES企業に良い会社など存在しないというのが私の見解ですので、まず最初にこの点についてははっきりと申し上げておきたいと思います。

https://axia.co.jp/2018-02-09

米村さんは、SES企業の構造的な悪を噛み砕いて説明しており、別の記事では「SESは消滅した方がいい」とまで言っています。

>>日本のIT業界のためにSESは消滅するべきだと思う

SESとしてやるのではなく、しっかりと派遣会社としてやる、もしくは受託会社としてやればいいのに、そうしない彼らはどこまでいっても悪であるという主張はとてもわかりやすい論理ですよね。

ただ、SES企業に関しては、悪い意見だけではなく、いい意見も存在することは事実です。

例えば、フリーランスのインフラエンジニアとしても活躍しているやまもとりゅうけんさんは、記事の中で次のように語っています。

・社内自社開発企業とSES企業に行くのであれば、絶対に自社開発。・・(中略)ただ、だからと言って誰でも簡単に自社内開発に行けるわけでもないというのが現実。

意外とSESの現場も良い所がたくさんある。

・SESに潜り込む→フリーランスという道もあり。

・ブラック企業に当たったら、辞めるか現場を移す!

https://www.ryukke.com/?p=9435

SESの企業で働いていた経験がある彼だからこそ言える実体験に基づく経験談です。

SESだからといって、全てが悪い企業ではなく、スキルがないならまずはSESに入って勉強し、それから独立したらいい!と述べています。

また実際に、SES企業の中でも人気のある企業は存在します。

「超低マージンSES」として、各メディアにも大きく取り上げられている「リツアンSTC」では、自社のマージン率や社員の給料を公式ホームページで紹介しており、非常にクリーンな経営をしています。

>>リツアンSTCの公式ホームページ

>>リツアンで働いたことのあるエンジニアの実体験記事

このように、一般的にSESはブラックと言われがちですが、実際には、案件によってしっかりスキルがついたり、高収入が狙えたりすることもあります。

自社開発企業に行けるに越したことはないですが、スキルが無い方はSESからキャリアをスタートさせることも視野に入れてもいいかもしれません。

未経験→SESへの転職が多いのはホント?

未経験→SESへの転職が多いというのは事実です。

大前提として、自社サービスの開発を行なっている企業は、非常に収益が高く、ホワイトであることが多いため、優秀なエンジニアが沢山集まります。

スキルのある優秀なエンジニアでも、なかなか入ることが難しいと言われているのにも関わらず、未経験のスキルが無い人を採用したいと思うでしょうか。

実際に、マイナビエージェント×IT リクナビNEXT などで、「未経験歓迎」「1から研修があります」と募集要項に記載されているIT企業はSES企業であることが非常に多いです。

未経験である以上、自社開発を行なっている会社には相手にされないため、受託開発企業か、SES企業しか採用してくれないのが現実です。

しかし、エンジニアは実力社会であるため、しっかりと実力をつけて、SESでのキャリアを積んで、他の企業に転職してキャリアを作っていく人も少なくありません。

まずは、キャリアのスタートとして将来を見据えた上でSES企業に入ってみるのも選択肢の1つです。

無料で学べて、就職先まで紹介してくれるGEEK JOB なら、これからエンジニアになりたい人にぴったりです。

最短で1ヶ月でエンジニアに転職した人もいるので、未経験からすぐにエンジニアとしてキャリアをスタートさせたいという方におすすめです!

>>未経験からのエンジニア転職成功率95%以上!【GEEK JOB】

SESに就職したくない人におすすめのエンジニアスクール

ただ、中にはどうしてもSESに就職せずに、自社でサービス開発を行なっている会社に行きたい!という方もいますよね。

未経験からSES企業に就職したくない方におすすめなのが、有料のプログラミングスクールに入って就職先を紹介してもらう方法です。

以下におすすめのエンジニアスクールを3つほどご紹介しました。

ポテパンキャンプ

ポテパンキャンプは、完全選抜制の有料プログラミングスクールです。

「現場よりも厳しいプログラミングスクール」として非常に有名なので、ポテパン卒の人は、現場でも即戦力レベルの実力があると定評があります。

また、紹介する企業は「全て自社開発企業」であることを名言しており、未経験からだと難しいと言われている自社開発の企業へ転職できるというのも大きな強みです。

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TECH:EXPERT

TECH::EXPERT は、プログラミングスクール業界でも老舗のTECH:CAMPが運営している転職保証サービスで、転職成功率98.5%を誇っています。

有料スクールの中でも、受講料は若干高いですが、転職成功実績が非常に豊富で、大手や優良ベンチャーなどに沢山の方が転職していることが分かります。

>>転職成功した受講生のインタビューを見る

また、これまでTECH:EXPERTでも事前選抜制度を採用していたのですが、2019年4月からこの選抜制度が無くなり、誰でも受講することが出来るようになりました。

「絶対に優良企業に行きたい!」という方は、とてもおすすめの転職スクールです。

>>未経験のITエンジニア転職なら【TECH::EXPERT】

DMM WEB CAMP

DMM WEB CAMPも転職サポートのプログラミングスクールの中では、非常に評価の高いスクールです。

より実践的に受講生同士でチーム開発を行ったり、オリジナルサービスを開発したりと、実務に近い実践的なカリキュラムを用意している点が強みです。

また、キャリアアドバイザーがついてくれ、あなたのキャリアについてアドバイスも行ってくれるため、転職に不安のある人でも問題なく受講することが出来ます。

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まとめ

今回はSESとは何かについて詳しく解説しました。

何かと批判されているSESですが、その構造や業態などを本当に理解している人は非常に少数です。

「SES=悪い」というイメージをそのまま受け入れるのではなく、何が問題なのか、どうして悪いのかをしっかり判断した上で、自分の意見を持てるようにしましょう。

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